KNOWLEDGE HUB
薬草と植物
効能だけでなく、植物がどこで、誰に、どのように使われてきたのかを、歴史と安全性の両面から読みます。

2026.08.03
香りはなぜ薬になったのか|生姜・陳皮・薄荷・シナモンを比べる
薬草を見分けるとき、人は最初から成分表を持っていたわけではありません。葉をもみ、樹皮を削り、根茎をかじり、湯へ入れたときに立ち上がる香りを確かめました。香りは、目に見えない植物の性質を知る、古くて分かりやすい手掛かりでし…

2026.08.02
ハッカ|冷たく感じる香りは、なぜ薬草になったのか
薄荷の香りをかぐと、鼻や口の中に冷たい風が通ったように感じます。ガム、歯磨き、のど飴、湿布、夏向けの化粧品まで、私たちはこの感覚を「涼しさ」として使ってきました。 ところが、薄荷の葉そのものが氷のように冷たいわけではあり…

2026.08.01
紫蘇|赤紫蘇と青紫蘇は、なぜ食と薬の境目にあるのか
梅干しを赤く染める赤紫蘇。刺身や冷ややっこに添える青紫蘇。乾燥して漢方処方へ入れば、蘇葉と呼ばれます。 スーパーでは野菜売り場にあり、薬局方では生薬として規格が定められている。同じ植物がこれほど自然に食と薬の間を行き来す…

2026.07.31
陳皮|捨てられるミカンの皮は、なぜ薬になったのか
ミカンを食べれば、最後に残るのは皮です。現代なら生ごみとして捨てられることも多いこの部分を、人々は乾燥させ、香辛料や菓子、茶、そして薬として使ってきました。 中国で「陳皮」と呼ばれたのは、主にマンダリン類の成熟した果皮で…

2026.07.30
生姜|生と乾燥で、なぜ使い方が変わるのか
すりおろして薬味にし、薄切りを甘酢へ漬け、乾燥粉末を菓子や飲み物へ加える。生姜は、台所の食材であると同時に、インド、中国、日本、イスラム世界を行き来してきた薬草でもあります。 しかし、同じショウガの根茎でも、生のまま使う…

2026.07.26
シナモンとは|中国・インド・ペルシャを渡った香りの樹皮
菓子やチャイに甘い香りを添えるシナモンは、もともと木の皮です。クスノキ科ニッケイ属の樹皮をはぎ、乾燥させると、見慣れた棒状のスパイスになります。 しかし、「シナモン」という名で流通するものは一種類ではありません。スリラン…

2026.07.19
甘草とは|インド・中国・ギリシャをつないだ甘い根
古代インド、中国、ギリシャ。遠く離れた三つの医療文化に、同じような「甘い根」が登場します。日本で甘草、英語でリコリスと呼ばれる、マメ科カンゾウ属の植物です。 甘草は、強い薬草をまとめる脇役として、喉や胃をいたわる素材とし…

2025.10.07
ドクダミ|「十薬」は、本当に十の薬効を意味するのか
梅雨どきの塀際に、白い十字形を浮かべるドクダミ。花びらのように見える四枚は、じつは花ではなく総苞片です。中央の淡黄色の穂に、花弁も萼もない小さな花が集まっています。 葉をちぎれば、魚や香辛料にもたとえられる強いにおいが立…

2025.09.30
ローズマリー|「記憶のハーブ」は、どこまで研究で確かめられたのか
肉やじゃがいもを焼くとき、ローズマリーの小枝を一本添える。熱が入ると、針のような葉から樹脂を思わせる鋭い香りが立ち上がります。 この植物は、ヨーロッパで「記憶」や「追憶」の象徴にもなりました。シェイクスピアの『ハムレット…

2025.09.29
ヨモギ|なぜ食べる草が、灸の『もぐさ』になったのか
春の野に出たヨモギは、草餅や団子の色と香りになります。少し育った葉と枝先は、生薬名で「艾葉(ガイヨウ)」。さらに葉を乾かし、砕き、ふるい、風を当てて葉肉を取り除くと、淡い黄白色の「もぐさ」が残ります。 三つは同じ植物から…